良いことばかりではない

必ずという言葉が最も縁遠い

不動産投資をすればきっと収入が増える、これまで以上に生活が豊かになるだろうと信じて疑わない人もたくさんいるでしょう。ですが不動産を取り扱う以上、相手はモノ言わぬ自然などではなく、個という意志を兼ね備えた人間との対話と接触によって営まれる事業だ。これを理解しているか否かでトラブルに巻き込まれる人、そうでない人とに分かれるでしょう。ただいくら人相手だからといって、不動産を取り扱っている投資家にしたら経営者という顔を持っているつもりでも、その相手である人は自分が雇用している人間という立場ではなく、あくまで‘大事な顧客'であるという点を忘れてはならない。

問題に出くわした際、そうした事実を損ねていると決まって感情的になり、冷静さを失ってしまっては不動産投資など到底出来ません。提供しているから自分は偉い、自分こそ神だ、といった自惚れをどこかで抱えているとしたら、それは捨て去るべきでしょう。

そして必ずしも、不動産投資をすれば実質利回りで高い収益を出せるだろうと安易な予測を立てることもするべきではないのだ。実際にあったケースでも、高い利回りを信じきって行動して、最終的にほとんど儲けを得ることなく売却してしまった人もいます。

不動産とは

不動産投資とはいえ、やはり立地条件や通勤スタイルといった居住する予定の人がこれから送るであろうライフスタイルに合っていなければならない。条件を逸してまで居住したいと思う物件に出くわす等、よほどのことがなければあるわけないのです。そのため東京都内は特に人気物件と呼ばれる箇所が集中しているので、投資家がこぞってマンションを買い漁っている現実もあるほどだ。

では同じ関東でも少し離れた地方都市であっても駅チカであれば、収益はきっと見込めるだろうと予測した人もいました。とあるアパートを約3,700万円にて購入し、毎月の家賃を50,000円に設定する。これにより、最大実質利回りは20%になるだろうと随分高い予想を立てた。それだけ自信があったのだろう、しかし現実は予想以上に厳しく、空室ばかりが目立ってしまったのです。こんなはずでは、そう考えてもこれ以上空き部屋をそのままにしては不動産としての価値が損なわれるとして、家賃を10,000円ほど値下げして貸出を開始したところ、ようやく全室埋めることに成功した。

安いことへの弊害

空室もなくなり、これからが順風満帆の家賃収入が得られる不動産投資ライフがスタートする、そう思っていたという。けれどとある日、アパートの管理を委託していた管理会社から連絡を受けて、急遽週末に来てくれないかと頼まれたというのだ。そこで待っていたのは、近隣住民からの苦情という集中砲火を受けることになります。

いくらアパートの一室で暮らしているからといっても、集団生活みたいな暮らしをしているためにどうしても歪が生じるのは否めません。特に偏見ではないが、低家賃のマンションとなると入居することに特別重い審査を経ることもないため、誰でも入居しやすい方だ。そのため、問題を抱えているような人を安易に入れてしまうといったこともあり得るために、住民同士のトラブルが勃発する羽目になってしまうのです。この時も生活音に対するものから、ゴミ出しルールを守らないといったものが中心だった。

修繕費を全額建替

さらにある入居者が退去する際、部屋の有様はとても次の入居者を迎えられないほど荒れていたというのだ。しかし資金がないという理由からクリーニング代を支払うことが出来ず、結局オーナー自らがその代金を支払わうことになってしまったという。釈然としない話かもしれませんが、これも不動産投資をしていれば出くわす可能性があるよくある問題なのです。

経営者というよりは、管理人

運営をしているから自分は経営している人間だと思うかもしれませんが、不動産を所有しているオーナーとは顧客である住居人にすればそこまで偉い存在ではない。借りている以上はそれなりに礼儀を持っているものの、それ以上の感情は基本持ち合わせていないものだ。ただ良好な関係を築こうとする意思はあるにしても、いくら借りているからといってへりくだり過ぎることもない、それこそ普通の会社と違って上下関係という明確な立場は存在しない。

不動産を所持している人の殆どが勘違いしているかも知れませんが、不動産のオーナーになると必ず裕福になれるわけではない、むしろ所持してからの人間関係をいかに円滑に出来るかが問われる仕事なのだ。

世の中美味しい話ばかりではない、知らないと怖い不動産投資